深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

じっくり

『ルピナスさん』世の中を美しくするためにできること

ルピナス。 言葉にしてみると、また声に出してみると、流れるような、そして美しいひびきを持って、名前の美しさそのままのピンク、紫、白のパステルカラーの花。 作者はバーバラ・クーニー、現代アメリカを代表する絵本作家です。いちばんの特徴はその端正…

『おおきなのはら」自然をまわりをよくみること

カラフルな表紙をめくると、見返しには虫捕り網とバスケットを手にした男の子と女の子が、家を後にするところ。燦々と輝く太陽の照りつけるのはらへ。さて、のはらはどんなところでしょう。 おおきなのはら ジョン・ラングスタッフ 文 フョードル・ロジャン…

『影ぼっこ』得体のしれない不思議を楽しむ心を養う

詩的な絵本です。 一見、子どもたちは楽しめるの、と思ってしまうような絵本です。 ですが、息子がまだ学校へ上がる前に読んで聞かせると、案外気に入った様子。 子どもこそ、天然自然、詩人なのでした。 影ぼっこ ブレーズ・サンドラール ぶんマーシャ・ブ…

『木はいいなあ』木のまわりの気持ちよさを知ろう

新緑に季節を迎えると開きたくなる絵本です。 タイトルのとおり 「木はいいなあ」 とまわりを見て、絵本を読んで、心から思えます。 木はいいなあ ユードリイ さく シーモント え さいおんじ さちこ やく ページ: 32ページサイズ: 28 x 16.4 出版社: 偕成…

『グリム童話ミリー ー天使にであった女の子のお話ー』永遠の生としての死を描いた美しい絵本

『かいじゅうたちのいるところ』 『まよなかのだいどころ』 『まどのそとのそのまたむこう』 子どもたちがいずれも大好きな絵本たち。 その作者モーリス・センダックが挿絵をつけたグリム童話です。 グリム童話ミリー ー天使にであった女の子のお話ー ヴィル…

『せいめいのれきし』時間のながれを感じる絵本

読みごたえ満点の絵本です。 生命の歴史という壮大なテーマを、 絵本という形にみごとにまとめてあります。 バートンさんは、 『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』 『ちいさなおうち』などで知られる日本でもお馴染みの絵本作家です。 8年間という歳月をか…

『ちいさいおうち』家に刻まれる物語

鮮やかな青い背景に赤い壁の家。 表紙に描かれる「ちいさなおうち」は窓は目、入り口のドアが鼻、エントランスが口に見えて人のようです。 ほぼ真ん中に描かれたこの「おうち」は、ページをぱらぱらとめくるとほとんどがいつも同じ位置に描かれています。 「…

『パンやのくまさん』◆誠実・実直・礼儀正しさが描かれる

やや小ぶりのサイズの絵本は、小学校の教室で20人の読み聞かせで読むより、図書室で数人の時に読む絵本でした。 表紙のどこか懐かしい絵のタッチは野暮ったくさえみえます。 はじめて出版されたのは1979年、アメリカ。日本では1987年に訳されています。 この…

海の雄大さを感じる絵本◆『沖釣り漁師のバードダウじいさん』の海は七変化

住んでいるこの町は、海を見るのに1時間以上車を走らせなければなりません。 海の持つ開放感と浪漫、未知への憧れや挑戦を飲み込まれそうな広大さ… 「海好きは詩人」というのが、うなづけます。 ちなみに、「山好きは哲学者」なのだとか。 (「海好き~山好…

素直な心と目で見ることの大切さ『ロバのおうじ』のやさしい眼差し

桜が散って、しばらくたつと山々に明るく鮮やかな緑色が見えはじめます。 霞かかる春の空に、鮮やかな若緑色が目に飛び込んでくる新緑は、儚くも心躍る季節です。 そんな新緑色の表紙が目を引く絵本が『ロバのおうじ』です。 グリム童話の代表作でもあるこの…