深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

冒険

『つきのぼうや』カタチで楽しむおはなし

つきのぼうや イブ・スパング・オルセン 作 やまのうちきよこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1975年10月 縦33.5㎝、横12.7㎝ 絵本としてはかなり変形なサイズが目をひきます。 開くとそのわけがわかります。 まず、見返しが印象的。 雲間から見える満面の…

「名馬キャリコ』活劇でスカッと爽快になる

はじめてこの絵本をみたとき、まるで映画のよう、と思いました。 名馬キャリコ バージニア・リー・バートン 作 せたていじ 訳 出版社: 岩波書店 出版年: 1979年11月 ところははるか、西部のサボテン州に、その名をキャリコとよぶ名馬がおりました。みめ美…

『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』子ども時代に出会える冒険を心ゆくまで

ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん エルサ・ベスコフ 作 おのでらゆりこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1977年5月 プッテは かごを 二つさげて もりへいきました。ブルーベリーとこけももを つんで、おかあさんの たんじょうびの おくりものに したい…

願いごとをすることは叶うということ『ケニーのまど』

センダックがはじめて絵と文を自作した絵本。七つのなぞなぞをめぐる不思議なおはなし。ケニーのまど モーリス・センダック 作 じんぐう てるお 訳 出版社: 富山房 出版年: 1975年12月 1.だれかに だめといわれても、 こくばんに えをかくには どうしたら…

『チムとゆうかんなせんちょうさん』王道の冒険譚!憧れの先にある仕事

『チムとゆうかんなせんちょうさん』は、 少年チムを主人公にした海を舞台にした冒険の物語です。 作者のアーディゾーニは1900年の生まれ、 生誕100年を記念して、日本ではシリーズ11冊が刊行されました。 チムのシリーズは作者が当時5歳だった息子とそのま…

『グリム童話ミリー ー天使にであった女の子のお話ー』永遠の生としての死を描いた美しい絵本

『かいじゅうたちのいるところ』 『まよなかのだいどころ』 『まどのそとのそのまたむこう』 子どもたちがいずれも大好きな絵本たち。 その作者モーリス・センダックが挿絵をつけたグリム童話です。 グリム童話ミリー ー天使にであった女の子のお話ー ヴィル…

『せいめいのれきし』時間のながれを感じる絵本

読みごたえ満点の絵本です。 生命の歴史という壮大なテーマを、 絵本という形にみごとにまとめてあります。 バートンさんは、 『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』 『ちいさなおうち』などで知られる日本でもお馴染みの絵本作家です。 8年間という歳月をか…

海の雄大さを感じる絵本◆『沖釣り漁師のバードダウじいさん』の海は七変化

住んでいるこの町は、海を見るのに1時間以上車を走らせなければなりません。 海の持つ開放感と浪漫、未知への憧れや挑戦を飲み込まれそうな広大さ… 「海好きは詩人」というのが、うなづけます。 ちなみに、「山好きは哲学者」なのだとか。 (「海好き~山好…

夢をかなえる絵本『栄光への大飛行』ひたすらにひたむきなチャレンジ精神

イギリスとフランスを隔てているドーバー海峡を、 飛行機ではじめて渡った人のおはなしです。 小学校では5年生、6年生によく読みました。 実話だということを読み終わった後に話すと、 「へぇ~」といった風です。 最初の挑戦から6年め、11回目の飛行で成功…

いたずら盛りの子どもに読みたい『ひとまねこざるときいろいぼうし』子どもの好奇心の源は?

さるのじょーじの腕白ぶりが描かれる絵本です。 てんやわんやの出来事が次々に 繰り広げられる、このおはなしは シリーズになっていて 小学校でもよく読みました。 いたずら心をくすぐるような じょーじの活躍に子どもたちも 胸を好くような面持ちなのでは …

『かいじゅうたちのいるところ』彼方への旅は子どもの心のままに

好奇心旺盛な子どもたちにとびきりの絵本をご紹介します。 いつでもどこでも空想の世界に羽を伸ばせることができるのが、 子どもの特権です。 モーリス・センダックはアメリカを代表する絵本作家です。 「かいじゅうたちのいるところ」は実写映画にもなりま…

『まよなかのだいどころ』◆架空の世界の楽しみ方

『まよなかのだいどころ』は『かいじゅうたちのいるところ』『まどのそとのそのまたむこう』とともにセンダックの3部作といわれる絵本です。『かいじゅうたちのいるところ』は絵本の王道的な作りであり、極限までセリフをそぎ落とし描かれています。一方『ま…

『エルマーのぼうけん』絵本から物語世界への移行期に最適

この本は6歳の時、息子ががたいそう気に入って、 1日に2回3日続けて読んだ本です。 とにかくおもしろくて、おもしろくて仕方なかったのでしょう。 絵本ではなく幼年童話、というのでしょうか。 絵本は絵と文の割合が、ほぼ1:1ですが、 この本はその割合が…

『王さまと九人のきょうだい』は戦隊ヒーロー

戦隊ヒーローもの って、子どもたちは大好きですよね。 それぞれにカラーをもって、 特別な技?を繰り出し、 悪人を懲らしめ、やっつける! 同じパターンなのに、 なぜかはまって見てしまうんですよね。 ヒーローはイケメンが主人公ですしね。 決めポーズも…