深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

やんちゃな5歳と3年生に読み聞かせたい自動車の絵本『ちいさなふるいじどうしゃ』

子どもたちは動くものが大好き!!
自動車は最も身近な動くものです。
そんな自動車が自分で動き出して
てんやわんや…さて顛末は。
 
ちいさなふるいじどうしゃ
マリー・ホール・エッツ 作
たなべ いすず 訳
単行本: 40ページ
サイズ: 26.8x21.6cm
出版社: 冨山房
発行年: 1976年
 

決めセリフが大好きな子どもたち

ぼくはいやだ!そんなことはおことわりだ。まっててなんかやるもんか!
この絵本の決め台詞。
とにかくなんでも、いやだ!いやだ! なのです。
 
運転手さんがちょっと待っていてくれよ、
というのも聞かず、走りだします。
 
道路を走っていると道を横断しようようとする、
カエル、ウサギ、アヒル、ウシ、お百姓のおばさん、
と次々にに遭遇します。
ちょっと待ってておくれ、とみなが言いますが、
お構いなしに走り去って、みなを蹴散らして。
最後に出会ったのは踏切を渡ろうとする機関車。
やっぱり、いやだ! と走って、
ぼっかーん!がっしゃーん!
こなごなになった、ちいさなふるいじどうしゃ。
駆けつけた運転手さん。
がらくたになってしまった、ちいさなふるいじどうしゃは、
お百姓のおじさんに拾い集められて、
跳ね飛ばされた動物たちの家なったり、ブランコになったりと、
みんなの役にたちました。
 

子どもたちは、向こう見ずの行き先を考える

このおはなし、教訓めいた風にもとれますが、
それよりも、きかんぼのじどうしゃが、
いやだ!いやだ!と好き勝手する、
そこにちょっと爽快感を感じます。
 
機関車に突っ込んだら、こなごなにになると、わかってか知らずか、
最後まできかんぼを押し通した、じどうしゃの向こうみずな所も
本当はそんな風にしてみたい、
ダメだとわかっているけれど、そうしたいんだ
という気持ちをじどうしゃが、代弁しているように感じました。
 
その意志の強さ、
あるいは妥協することができなかった、ちいさなふるいじどうしゃの性格、
したくないことは絶対しなかった、ちいさなふるいじどうしゃの末路を
子どもたちはどんな風に感じるのでしょうか。
 

子どもたちは何を感じる?

ちいさなふるいじどうしゃ』は息子がかなり好きな絵本でした。
 
手元にある絵本はところどころよれたりして、
一度よんでもすぐに「もういっかい」と
リクエストされました。
 
学校の朝読書でもギャング世代といわれる、
3年生によく読みました。
 
最初は面白そうに聞いていますが、
最後にこなごなになった自動車のおはなしが終わると、
ちょっと、きょとんとした顔をしている子が多かったです。
 
子どもには、いやだいやだ、の自動車くんがどう映っていたのでしょう。
 
まさに、そこに何を感じるのかを楽しむ絵本といえましょう。
 
ひとりひとりがそれぞれに感じる体験が大切なのですね。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。