深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

『エルマーのぼうけん』絵本から物語世界への移行期に最適

この本は6歳の時、息子ががたいそう気に入って、
1日に2回3日続けて読んだ本です。
とにかくおもしろくて、おもしろくて仕方なかったのでしょう。

絵本ではなく幼年童話、というのでしょうか。
絵本は絵と文の割合が、ほぼ1:1ですが、
この本はその割合が、(絵)1:2.5(文)
くらいでしょうか。

 

絵本から文字の多いおはなしを読むようになる
子どもたちには最適な本です。

 

エルマーのぼうけん

ルース・スタイルス・ガネット 作
ルース・クリスマン・ガネット 絵
わたなべ しげお 訳
ペーシ: 128
サイズ: 21.2x15.2cm
出版社: 福音館書店 出版年: 1963年

 

モノクロですが挿絵もふんだんに差し込まれています。
石版画のような質感の柔らかい絵、輪郭線を感じません。
 
ご覧のように表紙は、朱と緑が印象的なもの。
ランドセルバッグを背負ったエルマーに、
 
どんな冒険が待っているのでしょう。
期待感が高まります。

 

エルマーの物語は設定がきちんとしている

ものがたりの内容は、 歳をとった野良猫から、
どうぶつ島に捕えられている
かわいそうなりゅうの子の話を聞きます。

 

エルマーはそのりゅうの子を助けに出かけるのです。
島に住むとら、さい、ライオン、ゴリラたちを見事な計略で、
りゅうの子を助けだします。

 

どんな風に助け出すのかは読んでのお楽しみです。
見返しには、龍が捕えられているどうぶつ島と、
エルマーが最初に辿りついたみかん島の地図が記されています。
こういうのがいいですよね。
ちゃんと物語世界にリアリティを与えています。

 

海の水色もきれい。
島の細かい様子も書いてあります。

 

続編を読むたのしみ

エルマーのおはなしは3部作になっています。

 

2作目の「エルマーとりゅう」は、
助け出したりゅうに乗って戻る途中、
嵐に合って小さな島におりました。

 

 

その島はカナリヤたちの島
カナリヤの王さまカン11世は、知りたがり病にかかっていて、
エルマーが見事になおして、たくさんの宝物をもらうというもの。

 

表紙の黄色い輪になったカナリヤがユーモラスですね。

 

3作目は「エルマーと16ぴきのりゅう」。
エルマーは無事りゅうの子をわが家に連れ帰りますが、
15匹のりゅうの子の家族は、人間たちに洞穴に閉じこめられていたのです。

 

りゅうの子とともに家族を助け出すために奮闘します。
どれもこれも、とてもワクワクします。

読み聞かせにおすすめのエルマー3部作

エルマーの3部作は抜群に面白く、
絵本からむりなく読み進めることができます。

 

文章の多いおはなしは、
読み聞かせできないと思っていませんか?

 

この物語は、126ページありますが、
声に出して読んでみると、
40分ほどで読めます。

 

読み聞かせに小学通っていた、
小学校の朝読書の時間は15分でした。

 

3日に分けて読むことができます。
ほかにも、グリム童話やドリトル先生シリーズを、
1週間かけて、
5年生や6年生に読んだことがあります。

 

物語に力のある作品は、読み語りも十分可能です。
息子も小学校へあがる前に読み始めましたが、
絵本と同じように楽しんでいました。

 

もちろんその後も絵本はたくさん読みましたし、
文章の多い本も抵抗なく読んでいました。

 

ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。