『かえでがおか農場のいちねん』1年と季節の農場の仕事がわかる
子どもたちは日々を、今を全力で生きています。
1年という時間をわかるのはいつ頃でしょうか。
小学生になると、1年たって2年生に、3年生にと、
1年を実感できるでしょう。
今は多くの子が、幼稚園や保育園へいくでしょうから、
園や家庭や行われる季節の行事を体験していると思います。
そこでは楽しい催しに、とにかく熱中することでしょう。
かえでがおか農場のいちねん
アリス・プロベンセン/マーティンプロベンセン 作
サイズ: 31.8x23.2cm
出版社: ポルプ出版
出版年: 1980年
いきいきと描かれる農場と動物たちの姿
1月から12月まで、月ごとに農場の自然の様子が,季節の往来とともに観察されています。
冬、真っ白な1月、
ヒツジはかたまり、
干し草を馬に運ぶ少年。
スケートをする子どもたちと、
森のカラス、そしてガチョウ。
春は動物たちの出産ラッシュ、
卵を抱えるニワトリ、
毛皮のコートえお脱ぐヒツジ。
夏の緑と花々に覆われる農場に、
あふれんばかりの動物たち。
夏の終わりのけだるい動物たち。
空気が変わる秋。収穫の秋。
動物たちに虫下しの薬を飲ませるのに忙しい。
冬のはじまりころのあわただしい農場。
そして早く夜になり早く眠る季節。
動物は動物らしく、自然は美しく厳しく、
人々は笑顔で描かれています。
あたりまえの世界がきちんと描かれていることで、 安心感をもてる、そんな絵本です。
64x47cmの絵から、鳥やかぼちゃの数を数えてみる
大型絵本といわれる大判サイズで見ごたえもあります。
いろんな動物を一緒にさがすのも楽しいです。
年齢によって楽しみ方がかわる絵本です。
見開きにすると64x47cmの大画面です。
一面に描かれているページもあれば,4場面、8場面、11場面と細かく描かれている様子もあって、それぞれに生き生きとした動物がいるのです。
大きな羊の毛並みが立派な番犬は
「おーーッ」と思える様相です。
景色も1月から順に移り変わって色彩が変わります.
秋の一面オレンジ色に染まる景色に、心の中で歓声をあげました。
小学校でも四季が描かれているので、いつでも読むことができる重宝な絵本です。
子どもたちは生きものに興味はあるけれど、直接ふれる機会は減っているかもしれませんね。
絵本から、この動物をみてみたい、
と思ってもらえるきっかけになるかもしれません。
季節の仕事をたんたんと
大事件は起こりませんが、黙々と季節の仕事に取りか組む姿をとおして1年をつくっています。
すこし前の暮らしは子どもたちにとって、おとぎ話のようで不思議な世界かもしれません。
この絵本は、めぐる季節と仕事を通して流れる時間を感じさせてくれる絵本だと思います。
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。