深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

『ちいさいじどうしゃ』すべてをきちんと記述する

車の絵本。

 

子どもたちは、乗り物が大好きですね。

真四角な小ぶりの絵本は、まさに子どもサイズ。

 

就学前の子どもたちによく読みました。 

 

 

 ちいさいじどうしゃ

 

ロイス・レンスキー ぶん・え

わたなべしげお やく

 

ページ: 47ページ
出版社: 福音館書店
発行年: 2005/2/20
サイズ: 17.2 x 16.4 

 

シリーズもののよさとは

「スモールさん」が主人公のこのシリーズは、

この「じどうしゃ」をはじめ

 

しょうぼうじどうしゃ

きかんしゃ

ひこうき

ヨット

おとうさん

のうじょう

おまわりさん

カウボーイ

 

などが日本語で読むことができます。

 

最初は「じどうしゃ」「きかんしゃ」「しょうぼうじどうしゃ」

だったと思います。

 

やはり乗り物が人気なのでしょう。

 

続いて、「ヨット」「ひこうき」「のうじょう」「おまわりさん」「カウボーイ」「おとうさん」

 

シリーズのよいところは、

おなじみの見慣れたスモールさんが、その役をやることによって、

より親しみやすく感情移入しやすくなりますね。

 

一切省かない「じどうしゃ」のすべて

このおはなしの多くは淡々とその乗り物や職業について解説しています。

まるでマニュアルのごとく。

 

「じどうしゃ」ならスモールさんご自慢赤いの自動車について

 

保有 ~ まず車庫へ

点検整備 ~ 油をさし、タイヤに空気を入れる 

走行 ~ 農道・小径・町の通り、いろんな道を走る

トラブル ~ タイヤがパンク、修理

メンテナンス ~ ガソリンスタンドで給油、戻ってピカピカにして車庫入れ

用途 ~ お店で買い物

 

などあらゆる自動車にまつわることが網羅されています。

 

こんなことまで書くの、というくらい当たり前のことをきちんと一切省かずに書き記しています。

 

大人にとってのあたりお前も、子どもたちにとっては初めて知ることがいかに多いことか。

 

じどうしゃって、こうしてきちんと使うようになっているんだな、と知ることができるのです。

 

同じようにシリーズは構成されて作られています。

 

じつはオシャレな絵本

作者はアメリカ・オハイオ州生まれの女性です。

ずっとなぜか男性と思っていました。

 
 
ゆっくり丁寧な語り口でひとつひとつの情景が描かれていて、
スモールさんの時間はゆっくりと流れているように感じられます。
 
急ぐことなく、順序だてて物事を行う大切さ、みたいなものを絵本を読んで感じました。
 
 
自動車が走るそばには、馬車や電車も描かれており、
信号機もあるけれど、おまわりさんの手信号もあったりと、
新旧が混在しています。
 
こんなふうに自動車が走っていた時代もあったのだと、思うのです。
 
 
1日の終わりに、ピカピカに磨かれ車庫に収まった自動車を最後に、
なんだかこちらまでピカピカの気分になれる、そんな絵本です。
 

モノクロとカラー

 
ちなみに最初に買った絵本は2色でした。
その後日本語でもカラー版がでました。
 
当時はカラーで絵本をみたくて洋書を買い求めました。
 
あまりの印象の違いに驚いたものです。
 
 
色鮮やかで2色の時は赤い自動車が目立っており、
スモールさんのマルサや線の丸さからカワイイ絵本の印象だったのですが、
カラーだとなんてオシャレでしょう!
 
華やかな色合いなのにシックで落ち着いた雰囲気で、落ち着いています。
 
スモールさんのスーツも濃紺だったのですね。
 
見返しもとてすてきです。
 
 

見返しもカワイイ
 
お読みいただきありがとうございます。
絵本選びの参考になればうれしいです。
 

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