深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

自然

『つきのぼうや』カタチで楽しむおはなし

つきのぼうや イブ・スパング・オルセン 作 やまのうちきよこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1975年10月 縦33.5㎝、横12.7㎝ 絵本としてはかなり変形なサイズが目をひきます。 開くとそのわけがわかります。 まず、見返しが印象的。 雲間から見える満面の…

『川はながれる』はじまりを考えてみる

川の流れをみて思い出した絵本が、まさに「川はながれる」です。 川はながれる アン・ランド 文 ロジャンコフスキー 絵 掛川 泰子 訳 出版社: 岩波書店 出版年: 1978年11月 自然を観察する眼差しが遺憾なく発揮されています。 派手さはありませんが、木々…

『海べのあさ』世界は輝いていると知る

きらめき・・・ はじめてこの絵本を読んだときの第一印象。 海べのあさ ロバート・マックロスキー 作 いしい ももこ 訳 出版社: 岩波書店 出版年: 1987年7月 サリーと妹のジェイン、おかあさんとおとうさんの4人家族は、海辺のそばに暮らしています。 あ…

『すばらしいとき』自然を体感する素晴らしさ

すばらしいとき ロバート・マックロスキー 作 わたなべ しげお 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1978年7月 夏の気配が場面いっぱいに感じられる絵本です。 表紙からして水辺にヨット、夏になるとページをめくりたくなります。 湾に小島の連なる避暑地、夏の…

『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』子ども時代に出会える冒険を心ゆくまで

ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん エルサ・ベスコフ 作 おのでらゆりこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1977年5月 プッテは かごを 二つさげて もりへいきました。ブルーベリーとこけももを つんで、おかあさんの たんじょうびの おくりものに したい…

『ルピナスさん』世の中を美しくするためにできること

ルピナス。 言葉にしてみると、また声に出してみると、流れるような、そして美しいひびきを持って、名前の美しさそのままのピンク、紫、白のパステルカラーの花。 作者はバーバラ・クーニー、現代アメリカを代表する絵本作家です。いちばんの特徴はその端正…

『ゆかいな かえる』生き物の躍動感が伝わってくる絵本

ゆかいな かえる ジュリエット・ケペシュ 作 いしい ももこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1964年7月 4ひきのカエルが楽しげな表紙。 ミドリとアオは自然に溢れた色、使われている色もこの2色に白と黒のみ。 水辺のアオがほとんどページのばっくの色なの…

『しりたがりやのちいさな魚』◆好奇心と自由

スゥエーデンの絵本作家エルサ・ベスコフのちょっとユニークなお話。 読み終えるのに15分はかかる、かなりお話しの量がある絵本です。 日差しが強く感じられ水辺が恋しくなる 5月から6月によく読みました。 ちょっとおかしな魚たちの姿が子どもたちの笑顔…

『ゆうかんなアイリーン』自然の中での身体感覚と自力

吹雪の中、大きな黄色箱を抱えて歩く女の子、アイリーン。 彼女が「ゆうかんな」わけが絵本で描かれています。 雪の降るころ小学1年生から3年生によく読みました。 大人は子どもの頃に感じた雪の感触を思い出すかもしれません。 ゆうかんなアイリーン ウイリ…

『影ぼっこ』得体のしれない不思議を楽しむ心を養う

詩的な絵本です。 一見、子どもたちは楽しめるの、と思ってしまうような絵本です。 ですが、息子がまだ学校へ上がる前に読んで聞かせると、案外気に入った様子。 子どもこそ、天然自然、詩人なのでした。 影ぼっこ ブレーズ・サンドラール ぶんマーシャ・ブ…

『木はいいなあ』木のまわりの気持ちよさを知ろう

新緑に季節を迎えると開きたくなる絵本です。 タイトルのとおり 「木はいいなあ」 とまわりを見て、絵本を読んで、心から思えます。 木はいいなあ ユードリイ さく シーモント え さいおんじ さちこ やく ページ: 32ページサイズ: 28 x 16.4 出版社: 偕成…

『かえでがおか農場のいちねん』1年と季節の農場の仕事がわかる

子どもたちは日々を、今を全力で生きています。 1年という時間をわかるのはいつ頃でしょうか。 小学生になると、1年たって2年生に、3年生にと、 1年を実感できるでしょう。 今は多くの子が、幼稚園や保育園へいくでしょうから、 園や家庭や行われる季節の行…

海の雄大さを感じる絵本◆『沖釣り漁師のバードダウじいさん』の海は七変化

住んでいるこの町は、海を見るのに1時間以上車を走らせなければなりません。 海の持つ開放感と浪漫、未知への憧れや挑戦を飲み込まれそうな広大さ… 「海好きは詩人」というのが、うなづけます。 ちなみに、「山好きは哲学者」なのだとか。 (「海好き~山好…

『ピーターラビットのおはなし』自然のありのままを学ぶ小さな絵本

青い服を着たうさぎの「ピーターラビット」。 その愛らしい姿を、食器や雑貨などで、 多くの人が目にしているのではないでしょうか。 キャラクターとして知られた存在にもかかわらず、 意外にそのお話を知っている人は少ないのではないでしょうか。 それぞれ…

『パセリともみの木』自然の厳しさと人のくらしを描く

もみの木がタイトルにあることから、 12月によく読み聞かせしました。 絵柄のせいか落ち着く絵本です。 もみの木の枝がシカの角のようとは、 この絵本で知りました。 自然の中で老いていく動植物と、 それを糧に生きる人間の関係をさりげなく描いています。 …

『わたしとあそんで』◆自然にふれる柔らかい心

春、小学校に入学してまもない1年生によく読みました。 微笑みをたたえた女の子が主人公です。 登場するのは、女の子と動物たちだけ。 それと、空にお日様があって、 いつも優しく見守っています。 自然の中にいる子どもは、 とにかく元気です。 息子も4歳く…