深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

『まりーちゃんのくりすます』優しい空気に包まれて

絵本を読みはじめた子どもたちにおくる
優しいクリスマスの絵本です。

 

ちいさな絵本ですから、子どもの目にも
程よくうつることでしょう。

 

まりーちゃんとくりすます

フランソワーズ 作
与田 準一 訳
ページ: 34
サイズ: 21x17cm
出版社: 岩波書店
出版年: 1975年

 

プレゼントを待つ楽しみが、クリスマスの楽しみと知り

ふゆです。
ゆきが ふりました。
こうしてはじまる、
まりーちゃんとひつじのぱたぽんのお話です。
クリスマスをまつ楽しみが伝わってきます。
 
クリスマスが近いのでまりーちゃんは、
サンタクロースのプレゼントを心待ちにしています。
ひつじのぱたぽんは、自分は靴を脱ぐことができないので、
プレゼントをもらえない、と嘆きます。
 
そんなぱたぽんのためにまりーちゃんは、
木の靴を作っているおじいさんのところへ行き、
ぱたぽんのために靴をあつらえるのです。
 
さあ、クリスマスの朝です
まりーちゃんに、そしてぱたぽんにもプレゼントが届いていました。
 
サテンのリボンのついたベルに、大喜びする嬉しそうなぱたぽん。
きっと忘れられないクリスマスになったことでしょう。
 

分かち合う楽しみも、クリスマスの楽しみと知る

 
まりーちゃんはプレゼントをもらえるクリスマスを心待ちにして、
あれこれ想像して楽しみに待ちます。
 
そのプレゼントを受け取るという喜びを、
ぱたぽんにも分け与えます。
 
クリスマスの幼い頃を、思い起こさせてくれます。
 

絵も文もやわらかいおはなしでほっこりと

1975年に発行されたこの絵本は、
”クリスマス”などのカタカナは、
ひらがなで書かれ太文字になっています。
 
優しい色と面で描かれた絵
 
境界という区切りが、まりーちゃんの世界にはないのですね。
 
淡い色彩がまりーちゃんの世界をやわらかくしていますね。
 
どこまでも温かい空気感に包まれたおはなしは、
読んでいると同じような空気に包まれていると感じます。
 
幼いはじめて絵本を読む子どもたちにも、
心から安心感を与える絵本です。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。