深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

『ちびくろさんぼのおはなし』こんなことがあったらおもしろい

この絵本の楽しさは、その奇想天外さ。
 
なんといっても、トラがとけてバターになってしまうのですから。
 

 
 
ちびくろさんぼのおはなし
 
ヘレン・バーナマン 作
なだもとまさひろ 訳
出版社: けい書房
出版年: 1999年6月
 
 
 
とらたちは はしって はしって
はしりつづけ とうとう
すっかりとけてしまいました。
きのまわりに のこったものは
とけた ばたー(いんどでは「ぎー 」といいます) の
いけ だけでした。
 
4頭の頭のとらたちに次々と、
赤い上着、青いズボン、紫の靴、緑の傘を取り上げられて
意気消沈するちびくろさんぼ。
 
ですが、ジャングルで1番を争って
バターになってしまう、という顛末。
 
はじめて読んだときは驚きました。
 
もうひとつ驚いたのは、
そのバターを使っておかあさんのくろまんぼが作ったホットケーキ。
 
くろまんぼが27枚、くろじゃんぼが55枚、
そしてちびくろさんぼが169枚、食べました。
 
合計251枚、そんなに作れないでしょう、
なんて、ツッコミをひとりで入れてましたね。
 
小学校でこの絵本を読むと、
ホットケーキの枚数を計算しだす子どもたちがいました。
 
このおはなし、
ちびくろさんぼ はジャングルへ
作ってもらった服を着て出かけただけなのです。
 
無駄な争いをせず ( トラにはかないそうもないですし)
傍観していただけ。
 
読むたびにみんなホットケーキを食べたくなる、
そんな絵本です。
 
 
この小さな絵本は掌にのるサイズですですが、62ページあります。
日本ではじめて発売されたのがこのサイズです。
絵本読み始める2歳半の子どもたちが手にすると、自分の本と思うことでしょう。