『ちびくろさんぼのおはなし』こんなことがあったらおもしろい
この絵本の楽しさは、その奇想天外さ。
なんといっても、トラがとけてバターになってしまうのですから。
ちびくろさんぼのおはなし
ヘレン・バーナマン 作
なだもとまさひろ 訳
出版社: けい書房
出版年: 1999年6月
〜とらたちは はしって はしって
はしりつづけ とうとう
すっかりとけてしまいました。
きのまわりに のこったものは
とけた ばたー(いんどでは「ぎー 」といいます) の
いけ だけでした。
4頭の頭のとらたちに次々と、
赤い上着、青いズボン、紫の靴、緑の傘を取り上げられて
意気消沈するちびくろさんぼ。
ですが、ジャングルで1番を争って
バターになってしまう、という顛末。
はじめて読んだときは驚きました。
もうひとつ驚いたのは、
そのバターを使っておかあさんのくろまんぼが作ったホットケーキ。
くろまんぼが27枚、くろじゃんぼが55枚、
そしてちびくろさんぼが169枚、食べました。
合計251枚、そんなに作れないでしょう、
なんて、ツッコミをひとりで入れてましたね。
小学校でこの絵本を読むと、
ホットケーキの枚数を計算しだす子どもたちがいました。
このおはなし、
ちびくろさんぼ はジャングルへ
作ってもらった服を着て出かけただけなのです。
無駄な争いをせず ( トラにはかないそうもないですし)
傍観していただけ。
読むたびにみんなホットケーキを食べたくなる、
そんな絵本です。
この小さな絵本は掌にのるサイズですですが、62ページあります。
日本ではじめて発売されたのがこのサイズです。
絵本読み始める2歳半の子どもたちが手にすると、自分の本と思うことでしょう。