深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

2023-01-02から1日間の記事一覧

『すばらしいとき』自然を体感する素晴らしさ

すばらしいとき ロバート・マックロスキー 作 わたなべ しげお 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1978年7月 夏の気配が場面いっぱいに感じられる絵本です。 表紙からして水辺にヨット、夏になるとページをめくりたくなります。 湾に小島の連なる避暑地、夏の…

「名馬キャリコ』活劇でスカッと爽快になる

はじめてこの絵本をみたとき、まるで映画のよう、と思いました。 名馬キャリコ バージニア・リー・バートン 作 せたていじ 訳 出版社: 岩波書店 出版年: 1979年11月 ところははるか、西部のサボテン州に、その名をキャリコとよぶ名馬がおりました。みめ美…

『うさぎのみみはなぜながい』何事も理由を考えてみる

これは、メキシコがまだナオワの国といった時代の、おおむかしの物語です。 そのころすんでいたメキシコ人は、みな、わたくしたち日本人そっくりの人たちで、アステカ文化という、たいそう高い文化をもっていました。 うさぎのみみはなぜながい 北川民次 作 …

『金のがちょうのほん』昔話の摩訶不思議な世界

レズリー・ブルック文・画のこの絵本には、副題にあるとおりー四つのむかしばなしーが収められています。「金のがちょう」「三びきにくま」「三びきのぶた」「親ゆびトム」、いずれもイギリスの昔話、日本人にもなじみ深いおはなしです。絵本が出版されたの…

『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』子ども時代に出会える冒険を心ゆくまで

ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん エルサ・ベスコフ 作 おのでらゆりこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1977年5月 プッテは かごを 二つさげて もりへいきました。ブルーベリーとこけももを つんで、おかあさんの たんじょうびの おくりものに したい…

『ルピナスさん』世の中を美しくするためにできること

ルピナス。 言葉にしてみると、また声に出してみると、流れるような、そして美しいひびきを持って、名前の美しさそのままのピンク、紫、白のパステルカラーの花。 作者はバーバラ・クーニー、現代アメリカを代表する絵本作家です。いちばんの特徴はその端正…

『あおい目のこねこ』へんてこはすてきなこと

この絵本は青い目をもつネコがネズミの国を目ざすおはなし。 あおい目のこねこ エゴン・マーチセン せた ていじ 訳 出版社: 福音館書店 出版年1965年4月 1965年が初版ですから、半世紀を越えました。 本の厚みも12㎜ほど、右ページに絵、左ページ文字、山吹…

『ゆかいな かえる』生き物の躍動感が伝わってくる絵本

ゆかいな かえる ジュリエット・ケペシュ 作 いしい ももこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1964年7月 4ひきのカエルが楽しげな表紙。 ミドリとアオは自然に溢れた色、使われている色もこの2色に白と黒のみ。 水辺のアオがほとんどページのばっくの色なの…

『きこえる きこえる なつのおと』日常を音で見てみる試み

きこえる きこえる なつのおと マーガレット・ワイズ・ブラウン 文 レナード・ワイズガード え よしがみきょうた やく さわやかな水色の空とひまわりの花が夏を演出しています。子犬のマフィンを乗せた車は牧場をめざして走ります。マフィンがみる夏の牧場の…

『せんろはつづくよ』きみとぼくのつづく明日へ

2だいの ちいさな きかんしゃがせんろの うえを はしります、2だいの ちいさな きかんしゃはにしへ むかってしゅっぱつです。ぱふぱふ ぱふぱふちゃぐちゃぐ ちゃぐちゃぐぱふぱふ ぱふぱふちゃぐちゃぐ ちゃぐちゃぐ せんろはつづくよ マーガレット・ワイズ…

『うちがいっけんあったとさ』スキップするような気持ち

うちがいっけんあったとさ ルース・クラウス 文 モーリス・センダック え 出版社: 岩波書店 出版年: 1978年11月 センダックはいろんな絵を描きますが、これは線で描かれた絵が、自由に動きまわっています。青いズボンをはいた男の子が、それこそスキップす…

『おおきなのはら」自然をまわりをよくみること

カラフルな表紙をめくると、見返しには虫捕り網とバスケットを手にした男の子と女の子が、家を後にするところ。燦々と輝く太陽の照りつけるのはらへ。さて、のはらはどんなところでしょう。 おおきなのはら ジョン・ラングスタッフ 文 フョードル・ロジャン…

願いごとをすることは叶うということ『ケニーのまど』

センダックがはじめて絵と文を自作した絵本。七つのなぞなぞをめぐる不思議なおはなし。ケニーのまど モーリス・センダック 作 じんぐう てるお 訳 出版社: 富山房 出版年: 1975年12月 1.だれかに だめといわれても、 こくばんに えをかくには どうしたら…

仲直りに言葉はいらなかった『きみなんか だいきらいさ』

お正月休みに帰省していた息子のハチが 6年ぶりに小学校時代の友だちと会うとのこと。 センダックのこの絵本を思い出しました。 子どもの頃、 仲直りに理由はいらなかったことを思い出しました。 きみなんか だいきらいさ ジャニス・メイ・ユードリー ぶん …