『あおい目のこねこ』へんてこはすてきなこと
この絵本は青い目をもつネコがネズミの国を目ざすおはなし。
あおい目のこねこ
エゴン・マーチセン
せた ていじ 訳
出版社: 福音館書店
出版年1965年4月
1965年が初版ですから、半世紀を越えました。
本の厚みも12㎜ほど、右ページに絵、左ページ文字、
山吹色の栞もついて、長いように思いますが
文は1行から4、5行が最も多く(最後のページだけ13行)
じつにテンポよく読めるおはなしです。
いわゆる単行本サイズで、絵本と読み物の中間に位置する本。
小学校でもよく読みました。
次々にめくられる本をみるもの楽しいようですね。
「1のまき」から「7のまき」まであるおはなし。
出だしは
むかし、青い目のげんきなねこが
おりました。
あるとき、こねこは、ねずみのくにを
みつけにでかけました。
顔の半分は青い目、目を大きく見開いて好奇心旺盛な表情。
なにしろ、ねずみのくにをみつけたら、
もうおなかをすかすことがありませんもの。
いろんなところを旅しててんやわんや、散々な目に合いながらも
「なーに、こんなこと、なんでもないや」
とやり過ごします。
「4のまき」で黄色い目をした5匹のネコに出会います。
自分がほかのネコと違って青い目であることを自覚させられます。
そして、自分で自分を観察して、
青い目がちっともへんてこでないと自信を持つのです。
ひょんな出来事から青い目のこねこは、ねずみの国を見つけます。
まるまるふとって、黄色い目のねこたちの元に戻り、
一緒にねずみの国へ行くのです。
青い目のこねこはみんなに、
「ありがとう、こねこくん。
~青い目だって、へんてこじゃない。
とってもすてきで、きれいだなあ」
とおわります。
へんてこ、と思ってしまうこと。それをすてき、と思うこと。
同じことなのに正反対。ならばすてきなことと思う方がステキです。
絵は筆ペンで書いたような柔らかい線で、
長い線も短い線でつながれながら描かれています。
背景もほとんどなく、ねこの動きと表情のみ。
いやおうなくねこたちに集中することになります。
紙の色の白、色も青(い目)と黄(色の目)、黒の濃淡が使われているだけです。
時折入る黒バックが効果的に物語のアクセントになっています。
見返しは、こねこの目の青色一色、で鮮やか。
猫の思い出をひとつ
昨夜9時ころのこと。
2階から降りてきていたハチが玄関先にいましたら
何やら物音、引き戸が少し開いたらしいのです。
「今、ネコが戸を開けた」
えーっ、
ハチがネコの手を目撃しておりました。
ホントにネコってとを開けるんだ、と。
つい最近、中里の方へ訪ねた家の玄関先に箱が置いてあり、
「この箱、どうしたんですか」
「ネコが戸を開けるから置いてるんですよ」
その時は、まさかと思いつつ、でも対策までしてるんだから
本当なのだろうけれど。
まさかわが家にもやってくるとは。
ハチが目をやって声をあげると、さっと逃げたようです。
ネコの大きさ体重で、あの玄関の引き戸を開けることができるとは、
今更ながらに驚きです。