深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

『きこえる きこえる なつのおと』日常を音で見てみる試み

 

 

きこえる きこえる なつのおと

マーガレット・ワイズ・ブラウン 文

レナード・ワイズガード え

よしがみきょうた やく


さわやかな水色の空とひまわりの花が夏を演出しています。

子犬のマフィンを乗せた車は牧場をめざして走ります。
マフィンがみる夏の牧場のいろんな音。
なんだろうという、好奇心。
いつもと違う場所で、耳をすまし目をこらす。

マフィンと一緒になって牧場を探検してみたくなります。

うま、うし、かえる、おんどり、ねこにねずみ、ひつじ、つぐみ・・・
動物たちの営みの様々な音をきくマフィン。


そのとき そらから へやじゅうの いすを ひっくりかえしたような おおきなやまが うごいたような はらぺこきょじんのおなかが なったような おとが きこえました。
いったい なんの おと? 

夏の嵐に驚くマフィンでした。


どの場面も色鮮やかで楽しくなります。
ほとんどの絵が面で描かれて、動物たちも堂々。
均一に塗られた空や草原が目に鮮やか、
断ち切りで色が塗られていて、広がりを感じさせます。
またワイズガードの絵の構図がユニークです。
文字のおき方も文字の色も、ページごとにすべて違います。
場面の色や構図にあわせてあるんですね。
こんな雄々しい雄鶏を見てみたい。
柔らかそうな子羊に触ってみたい。


開くだけで気持ちが明るくなる絵本です。