『うちがいっけんあったとさ』スキップするような気持ち
うちがいっけんあったとさ
ルース・クラウス 文
モーリス・センダック え
出版社: 岩波書店
出版年: 1978年11月
センダックはいろんな絵を描きますが、
これは線で描かれた絵が、自由に動きまわっています。
青いズボンをはいた男の子が、それこそスキップするように、
動き回って楽しそう。
おはなしというより、歌のよう。
出だしは、
ちんとんしゃん
うちが いっけん あったとさーーー
りすの うちでは ありません
ろばの うちでも あるません
ーーーしりたかったら さがしてごらんーーー
どこの とおりに あるのかな
どこの よこちょうに あるのかなーーー
ぼくだけ しってる うちなのさ。
と、こんな感じ。
ところどころに、口三味線のような文もみられます。
たとえば、
おつむ てんてん つるてん つるてん つるてんしゃん。
てれつく てんてん すててん てん
男の子がリズムに合わせておどります。
渡辺茂雄さんの日本語訳のセンスの良さに脱帽です。
意味は分からないけれど、音で楽しむ言葉と、
センダックのリズミカルな絵で、
みて聞いて楽しめる絵本です。
同じセンダックとクラウスのコンビによる絵本。
いずれも子どもの見ているであろう世界と思考の世界を表現しています。
「ぼくはきみで きみはぼく」
昨年ようやく訳された絵本、アメリカではロングセラー
「あなはほるもの おっこちるとこ」
子どもたちの世界を垣間見るよう
夕方4時すぎのこと。
小学校の通学路を元気にひとりスキップする男子がいました。
10歳くらいかな、久しぶりにみました。
かばんも背負っておらず、軽やかな足どり。
スキップは走るでもなく、歩くでもなく、
走るより遅く、歩くより早い。
そんな少年をみて、思い出した絵本です。
そんな少年をみて、思い出した絵本です。