深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

願いごとをすることは叶うということ『ケニーのまど』

センダックがはじめて絵と文を自作した絵本。
七つのなぞなぞをめぐる不思議なおはなし。

ケニーのまど

モーリス・センダック 作

じんぐう てるお 訳

出版社: 富山房

出版年: 1975年12月

 

 

 

 
1.だれかに だめといわれても、 こくばんに えをかくには どうしたらいいか?
2.だれかさんだけの やぎって なんだ?
3.やねのうえの うまは みえるか?
4.やくそくを やぶっても とりかえしが つくか?
5.ききいっぱつって なんだ?
6.なかも そとも みえるもの なんだ?
7.ねがいごとをしてから きもちが かわること ないか?

ケニーのまどは、饒舌なセンダックのファンタジーで、
ひとつひとつのなぞについて、全開で語りかけてきます。
 
さて、なぞなぞの答え、わかりますか。
例えば、6のこたえは、「ぼくのまど」

ふしぎだけれど、ぐいぐい引きこまれます。
絵もやっぱりとてもうまいです

そして小学5年生にこの本を読んでいて、気づいたこと。

「~ねがいごとは、いきたいところへ とちゅうまでいったのと おなじなんだ」

以前にも読んだことがある本だったのに、
この時、猛然とこの意味がストンと自分に入ってきた気がしました。
 
 
 
 
「かいじゅうたちのいるところ」
「まよなかのだいどころ」
「まどのそとのそのまたむこう」
 
削ぎ落とされ選ばれた言葉と、
センダックならではの、それぞれの絵本にあった表現力と画力で、
見るものに縦横無尽の想像力を与えてくれる絵本たち。
 
ある意味、すごく説明的で言葉を膨らませて紡がれた
「ケニーのまど」
これもセンダックの優しさなのだと、
読みかえすたびに思うのです。
 
なぞなぞの答えを全部知りたい方は、「ケニーのまど」へどうぞ。