『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』子ども時代に出会える冒険を心ゆくまで
ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん
エルサ・ベスコフ 作
おのでらゆりこ 訳
出版社: 福音館書店
出版年: 1977年5月
プッテは かごを 二つさげて もりへいき
ました。ブルーベリーとこけももを つんで、
おかあさんの たんじょうびの おくりもの
に したいのです。でも、いったいどこに
あるのでしょう。
おはなしはこうしてはじまります。
ですが、ちっとも見つかりません。
涙をこぼすプッテのそばに、小人のおじいさんが現れます。
ブルーベリーもりのおうさまです。
おじいさんの杖に触れるとプッテは、小さくなります。
そしてもりを案内されブルーベリーの子どもたちのところへ。
森の中をかけめぐり、
こけももかあさんと五人の女の子のところでは、こけももを摘み、
ブルーベリーの男の子とこけももの女の子と楽しく過ごすのです。
そして、おうさまに七つ数えなさいと。
すると、もとの切株に腰かけていました。
ちゃんと、青い実と赤い実は二つのかごに入っています。
みてください このかごを!
最後のページはおかあさんへの贈り物と手づくりのカードです。
なんてきれいなブルーベリーの青とこけももの赤。
小さくなったプッテに対し、大きく見える自然描写、
草花や木々、森の動物たちが迫ってきます。
森に流れる川は、緑を映して、緑色に描かれていて、
本当に自然をよく観察しているのがわかります。
大判で遠目にも鮮やかな絵本は、
小学校の朝の読書でも読みました。
絵を囲む枠が森の生き物に飾られて楽しげです。
さて、プッテは女の子でしょうか、それとも男の子。
どちらにも見えながら中性的ではない。
子どもたちが自身を自然に投影することができ、
森の中でブルーベリーを摘むことができるのですね。