深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

向こうみずの行き先は…◆『ちいさなふるいじどうしゃ』

子どもたちは動くものが大好き!!
自動車は最も身近な動くものです。
そんな自動車が自分で動き出して
てんやわんや…さて顛末は。
 
ちいさなふるいじどうしゃ
マリー・ホール・エッツ 作
たなべ いすず 訳
単行本: 40ページ
サイズ: 26.8x21.6cm
出版社: 冨山房
発行年: 1976年
 

決めセリフが大好きな子どもたち

ぼくはいやだ!そんなことはおことわりだ。まっててなんかやるもんか!
この絵本の決め台詞。
とにかくなんでも、いやだ!いやだ! なのです。
 
運転手さんがちょっと待っていてくれよ、
というのも聞かず、走りだします。
 
道路を走っていると道を横断しようようとする、
カエル、ウサギ、アヒル、ウシ、お百姓のおばさん、
と次々にに遭遇します。
 
ちょっと待ってておくれ、とみなが言いますが、
お構いなしに走り去って、みなを蹴散らして。
最後に出会ったのは踏切を渡ろうとする機関車。
やっぱり、いやだ! と走って、
ぼっかーん!がっしゃーん!
こなごなになった、ちいさなふるいじどうしゃ。
駆けつけた運転手さん。
 
がらくたになってしまった、ちいさなふるいじどうしゃは、
お百姓のおじさんに拾い集められて、
跳ね飛ばされた動物たちの家なったり、ブランコになったりと、
みんなの役にたちました。
 

子どもたちは、向こう見ずの行き先を考える

このおはなし、教訓めいた風にもとれますが、
それよりも、きかんぼのじどうしゃが、
いやだ!いやだ!と好き勝手する、
そこにちょっと爽快感を感じます。
 
機関車に突っ込んだら、こなごなにになると、わかってか知らずか、
最後まできかんぼを押し通した、じどうしゃの向こうみずな所も
本当はそんな風にしてみたい、
 
ダメだとわかっているけれど、そうしたいんだ
 
という気持ちをじどうしゃが、代弁しているように感じました。
 
その意志の強さ、
あるいは妥協することができなかった、ちいさなふるいじどうしゃの性格、
したくないことは絶対しなかった、ちいさなふるいじどうしゃの末路を
子どもたちはどんな風に感じるのでしょうか。
 

子どもたちは何を感じる?

ちいさなふるいじどうしゃ』は息子がかなり好きな絵本でした。
 
手元にある絵本はところどころよれたりして、
一度よんでもすぐに「もういっかい」と
リクエストされました。
彼にとって何がそんなにお気に入りだったのでしょう。
いつか聞いてみようと思います。
 
学校の朝読書でもギャング世代といわれる、
3年生によく読みました。
 
最初は面白そうに聞いていますが、
最後にこなごなになった自動車のおはなしが終わると、
ちょっと、きょとんとした顔をしている子が多かったです。
 
子どもには、いやだいやだ、の自動車くんがどう映っていたのでしょう。
 
まさに、そこに何を感じるのかを楽しむ絵本といえましょう。
 
ひとりひとりがそれぞれに感じる体験が大切なのですね。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。

 

人の一生とは…『神の道化師』はクリスマスに読みたい絵本

この絵本は小学6年生によく読みました
読み終えると、
シーンと不思議な緊張感が残っていたように思います。

 

クリスマスの本当の意味を知る意味でも読んでほしい絵本です。

 

神の道化師

トミー・デ・パオラ 作
ゆあさ ふみえ 訳
サイズ: 28x21.8cm
出版社: ぽるぷ出版
出版年: 1980年

 

表紙で七色の玉をジャグリングしている
道化師ジョバンニの一生を綴った絵本。

 

パオラの陰影に富んだ色彩と明確な線は
独特の世界を醸し出しています。

 

特にラスト近く教会に向かうジョバンニを描いた
見開きは圧巻です。

 

キリストに捧げる大道芸、ひとりの人生をじっくりあじわう

子どもの時からものをくるくる回すのが得意で
生きていく術を見つけます。

 

街から街へ、市井の人から公爵や王子さまに
技を見せて拍手喝采、国中を渡り歩く生活を続けます。
そのジョバンニも歳をとり、ジャグリング芸も飽きられてしまいます。
そして芸をあきらめ生まれ故郷に戻って、教会へたどり着きます。

 

ちょうどクリスマスの日で、なにも捧げものがないジョバンニは

むっつりとしたキリスト像の前で芸を披露するのです

 

そして息絶えたジョバンニ。
キリスト像は微笑んでおはなしはおわります
このお話で
  • 大道芸人として生きたひとりの人生
  • 自分のできることで懸命に生きること
  • 誰かに喜んでもらうことの尊さ。
物悲しさも残りますが、
ジョバンニは最後に満足していたように感じます。

 

「老いと死」を絵本の物語をとおして感じる

この絵本は主人公が老いて死んでしまうという、
結末になっています。
 
子どもたちは核家族化で人の死に対面することが、
少なくなっています。
ですが、それを絵本で知ることで、
おはなしの中で子ども自身が知ることができます。
 
静かで清らかな絵のつくり、
クリスマスにこそ、一緒に読みたい絵本です。
大切なお友だちに、その子どもたちに
贈るのもよいと思います。
 
クリスマスにまつわる絵本はすてきな作品がたくさんあります。
しっとりとした清々しい気分になるおはなしです
 
賑わいをみせるクリスマスですが、
キリスト教を信仰するの国々では、
家族でゆっくり過ごすことが多いようです。
 
贈った人、贈られた人にとって、
大切な絵本となることを願っています。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。
 

りんごと過ごす四季の移ろい『りんごのき』

いまは一年中みかけるりんごですが、
やはりおいしくなるのは、収穫の秋ですね。
収穫の時期、いちばんおいしくいただけるのが旬です。
 
そんな収穫を心待ちにりんごの世話をしながら、
四季はめぐります。
 
この絵本で、収穫を待つという楽しみを知ることでしょう。
 
りんごのき
エドアル・ペチシカ 文
ヘレナ・ズマトリーコバー 絵
うちだ りさこ 訳
単行本: 28
サイズ: 18x17.6cm
出版社: 福音館書店
出版年: 1972年
 

木のまわりの自然の変化を感じる

そこから見えるりんごの木に目をとめたマルチンが、
りんごの木とまわりを観察しながら、季節を過ごしていきます。
 
雪解け、そして春に美しい花をさかせ、ミツバチが群れます。
 
夏、葉はぐんぐん生い繁り水やりに忙しい。
 
秋、実ったりんごが熟す時を心待ちにするマルチン。
 
りんごの木の冬春夏秋を、マルチンがみまもります。
 
収穫の嬉しさが、
最後にりんごを大事そうに持って家に入ってくる、
明るいマルチンの笑顔がすべてですね。
 

チェコ発、動植物の造形をたのしむ

この絵本は福音館書店の(世界傑作絵本シリーズーチェコの絵本)です。
 
世界のさまざまな国の絵本を紹介しようという試みは素晴らしいです。
 
作者のふたりは、チェコスロバキア出身です。
文を書いたペチシカはプラハ生まれ、カレル大学文学部で博士号を取得しています。
雑誌の編集に携わるかたわら物語や記事を書いています。
 
絵のズマトリーコバーもプラハ生まれ。
15歳の時から新聞の挿絵を描いていましたが、限界を感じて
その後絵本の制作を始めます。
以後、子どもの本を描き続けています。
 
チェコらしさ、というか『りんごのき』らしさ、
をどのように、とらえたらよいのでしょうか。
 
絵をよく見ると、
木の葉や草花、それらはどこか丸みをおびて、統一的。

 

雨や風の表現、それらは線というより立方体で表現されているよう。
登場する猫や犬ハリネズミ、それらは毛の表現が大仰、長い。
煙突から出る煙と浮かぶ雲、それらは密度が高い。
 
やはり見慣れた日本の表現とは一味違うようです。
そして、それが海外の絵本を読む、楽しさでもあります。
 
軽やかな色彩と明快な輪郭線が印象的な絵本です。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです
 

『エルマーのぼうけん』絵本から物語世界への移行期に最適

この本は6歳の時、息子ががたいそう気に入って、
1日に2回3日続けて読んだ本です。
とにかくおもしろくて、おもしろくて仕方なかったのでしょう。

絵本ではなく幼年童話、というのでしょうか。
絵本は絵と文の割合が、ほぼ1:1ですが、
この本はその割合が、(絵)1:2.5(文)
くらいでしょうか。

 

絵本から文字の多いおはなしを読むようになる
子どもたちには最適な本です。

 

エルマーのぼうけん

ルース・スタイルス・ガネット 作
ルース・クリスマン・ガネット 絵
わたなべ しげお 訳
ペーシ: 128
サイズ: 21.2x15.2cm
出版社: 福音館書店 出版年: 1963年

 

モノクロですが挿絵もふんだんに差し込まれています。
石版画のような質感の柔らかい絵、輪郭線を感じません。
 
ご覧のように表紙は、朱と緑が印象的なもの。
ランドセルバッグを背負ったエルマーに、
 
どんな冒険が待っているのでしょう。
期待感が高まります。

 

エルマーの物語は設定がきちんとしている

ものがたりの内容は、 歳をとった野良猫から、
どうぶつ島に捕えられている
かわいそうなりゅうの子の話を聞きます。

 

エルマーはそのりゅうの子を助けに出かけるのです。
島に住むとら、さい、ライオン、ゴリラたちを見事な計略で、
りゅうの子を助けだします。

 

どんな風に助け出すのかは読んでのお楽しみです。
見返しには、龍が捕えられているどうぶつ島と、
エルマーが最初に辿りついたみかん島の地図が記されています。
こういうのがいいですよね。
ちゃんと物語世界にリアリティを与えています。

 

海の水色もきれい。
島の細かい様子も書いてあります。

 

続編を読むたのしみ

エルマーのおはなしは3部作になっています。

 

2作目の「エルマーとりゅう」は、
助け出したりゅうに乗って戻る途中、
嵐に合って小さな島におりました。

 

 

その島はカナリヤたちの島
カナリヤの王さまカン11世は、知りたがり病にかかっていて、
エルマーが見事になおして、たくさんの宝物をもらうというもの。

 

表紙の黄色い輪になったカナリヤがユーモラスですね。

 

3作目は「エルマーと16ぴきのりゅう」。
エルマーは無事りゅうの子をわが家に連れ帰りますが、
15匹のりゅうの子の家族は、人間たちに洞穴に閉じこめられていたのです。

 

りゅうの子とともに家族を助け出すために奮闘します。
どれもこれも、とてもワクワクします。

読み聞かせにおすすめのエルマー3部作

エルマーの3部作は抜群に面白く、
絵本からむりなく読み進めることができます。

 

文章の多いおはなしは、
読み聞かせできないと思っていませんか?

 

この物語は、126ページありますが、
声に出して読んでみると、
40分ほどで読めます。

 

読み聞かせに小学通っていた、
小学校の朝読書の時間は15分でした。

 

3日に分けて読むことができます。
ほかにも、グリム童話やドリトル先生シリーズを、
1週間かけて、
5年生や6年生に読んだことがあります。

 

物語に力のある作品は、読み語りも十分可能です。
息子も小学校へあがる前に読み始めましたが、
絵本と同じように楽しんでいました。

 

もちろんその後も絵本はたくさん読みましたし、
文章の多い本も抵抗なく読んでいました。

 

ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。

 

『シナの五にんきょうだい』で思い切り奇想天外を楽しむ

小学校に読み聞かせに行くようになって、
保護者有志で読み聞かせの会を作りました。
 
集まったのは10名ほどでしたが、
小学校にきょうだいで通っている保護者は半分ほどでした。
 
さらに3人以上の兄弟がいるという人は数人。
大家族、大勢の兄弟は珍しいものになっていますね。
 
ご紹介するのは、5人兄弟のおはなしです。
 
小学校の3年生に読んでいると、
「こんなのありえなーーい」
「凄すぎるでしょ」
なんて声が聞こえてくる絵本ですよ。
 
シナの五にんきょうだい
クール・H・ビショップ 文 クルト・ヴィーゼ 絵
ページ: 46
サイズ: 26.2x18.4cm
出版社: 瑞雲社
出版年: 1995年
 

黒とみかん色の2色で描かれた絵の意味は

表紙を開くとタイトルにある5人兄弟が、
ずらりと1列に横向きで並んでいます。
同じ顔、同じ体格、同じ服装で、
海の方を向いて立ち手をおへその前で組んでいます。
黒のちょっと太めの線で絵が描かれ、
みかん色でところどころ彩色されています。
 
絵本が出版され始めたころは、
2色刷りの絵本がありました。
 
制作予算と材料の都合でしょうか。
この絵本の初版は1938年です。
 
このおはなしは、
そっくりなきょうだいが自分の特技を生かして、
難を逃れるというもの。
 
2色の世界、まったく同じ顔の5人が示すように、
突飛な設定は、
おはなしの世界への扉なのだと思います。
2色で描かれた世界を、子どもたちは目にすることはありませんからね。
 

降りかかった災難を五にんきょうだいの特技でやりすごす

むかし シナに 五にんの きょうだいが いました。 五人は そっくりな かおを していました。
こうして、おはなしは始まります。
 
1番上のにいさんが、ひょんなことから
捕らえられ裁判によって処刑されることになったのです。
 
それを、顔のそっくりなきょうだいたちが、
入れ代わり立ち代わり処刑をかいくぐります。
 
海の水を飲み干すことができる1番目のにいさん。
鉄の首を持つ2番目のにいさん。
脚をどこまでも伸ばすことができるのが3番目のにいさん。
燃えない身体を持つ4番目のにいさん。
息をいつまでも止めておくことができた末っ子。
 
いくら処刑しようとしてもできないことに、
裁判長は、無罪だから処刑できないのだ、
と判断を下し、村人も賛同します。
 
最後のページは、
そして シナの五にんきょうだいと おかあさんは
いつまでも しあわせにくらした ということです。
ああ、よかった」と思える最後は、
子どもの本ではとても大切なことです。
 

単純にたのしむ、ちょっと深読みしてみる

 

描かれている五にん兄弟は、
そっくりで五つ子のようです。
 
人は見た目も一緒だと、
同じように思いがちですよね
 
シナの五にんきょうだいは、それぞれに特技があって、
それぞれに違うのだな、と気づきます。
 
特技は性格といっていいかもしれません。
その特技も生かせる時も違うということです
 
五にんきょうだいもそうでしたね。
 
海に投げ込まれたのが、
燃えない体の4番目のにいさんでは助からなかったでしょうからね。
 
子どもも同じかな、と思いました。
 
兄弟でも、お兄ちゃんができることは、
弟もやっぱり同じようにできて当然、って思いがちです。
 
でもそうではなく、
特技(性格・個性)が生きる時がちゃんとある
そんな風に思わせてくれます。
 
お話をただ単純に、
 
水を含んで我慢するすごい顔が4ページもある、とか
燃えない体ってすごい、とか
海に放り込まれて足がぐんぐん伸びるなんて便利、とか
泡だったたまごにつつまれてかまどにいれられるって、とか
 
ありえそうにない不思議なことに、びっくりする。
おはなしの世界に入り込めたら、
それで十分楽しめ、
子どもの心を豊かにしてくれます。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本の解釈は、個人的なものです。
絵本選びのきっかけになれたらうれしいです。
 

インドの昔話『ランパンパン』動かないものが動く世界を楽しむ

絵本には世界各国の昔話をもとに作られたおはなしがあります。
日本の昔話とは一味違う、いろんな国の物語を楽しめます。
 
ご紹介するのは、インドの民話をもとにした絵本です。
 
繰り返される
ランパンパン、ランパンパン、ランパンパンパン。
のリズムが心地よく響き語り手も聞き手も調子が上がります。
 
歌うように読む人、
跳ねるように読む人、
一定のトーンで読む人、
 
読み人によって大きくイメージが変わる絵本ですよ。
 
ランパンパン
インド民話/マギーダフ 再話
ホセ・アルエゴ/マリアンヌ・ドゥイ 絵
山口 文生 訳
ページ: 36
サイズ: 25.8.x20.6cm
出版社: 評論社
出版年: 1989年
 
むかしむかしのインドのお話。
昔話の定番ともいえるこの枕詞ではじまります。
 

本気で怒るクロドリのいでたちに注目

クロドリの夫婦が木の枝に止まって、
亭主がいい声で歌っていると…通りかかった王様は、
クロドリの女房を間違えて捕まえて連れていった。
 
クロドリが王様に捕まってしまった女房を助けようと
とげの刀、カエルの皮を盾に、くるみの殻で兜、
クルミの半分で戦いの太鼓を作ります。
 
そのいでたちの立派なこと。
絶対女房を救うぞ、
そんな決意が姿にあらわれています。
 
そして、意気揚々、救出に向かうのです。
 

動かないものが動き出す、絵本の世界のルール

進んでいく途中、やはり王様に被害を被った ネコ、木の枝、川、ありが仲間になって城に向かいます。
 
それらの隠れ場所がまた、不思議。
みんんがみんなクロドリの耳に吸い込まれていきます。
くろどりの耳ってどうなってるの。仲間になるモノたちが変わっています。
木の枝や川が意志を持った形で描かれていて
クロドリとやりとりし、
仲間となって助太刀すると申し出ます。
 
これからどんな活躍をするのかしらと期待が膨らみます。
 
正攻法で正面から王様に向き合ったクロドリは、
あっさり捕まりますが、処刑の檻に入れられます。
 
ですが、入れられた檻をことごとく仲間のおかげで脱出します。
 
とり小屋は、ネコ
うま小屋は、木の枝
ぞう小屋は、アリ
王様の部屋は、川
 
 
とうとう王様は
女房をつれて出て行ってくれ
と降参するのです。
 

ユニークな仲間の描き方

クロドリの戦闘モードの出で立ちが凛々しく
  アリの集団や川はぐるぐるにとぐろをまいて表現されています。 ページ毎に様々な色があらわれ場面展開を明快にしています。
文章同様にページにも軽やかなリズムが、
曲線を多用した絵で表されているようです。
 
インドのおはなし、ということもあるのでしょうが、
色は乾いた感じにみえます。
 
見開きで細長く開かれたページには、
王宮の規模や広さがよくわかりますね。
 
一方、クロドリたちにくらべて、
王様や人間たちは、むしろ無機質に、
さらっと描かれ均一化されています
 
クロドリが王宮まで旅する景色は、
草花が咲き誇り、実に生き生きと描かれています。
 
たくさんの色は使われているけれど、
パステル色の色調で、目にやさしく心は和らぎます
 

驚くことってとても大切だな、と思わせてくれる

歌舞伎役者のごときクロドリの生真面目さが、
どこか笑いを誘います。
3歳から小学校3年生くらいまで、
読み聞かせで読んでいました。
 
小さい子は、ランパンパン~のリズムに目を輝かせ、
3年生は「どうやって耳にはいってんの~」と突っ込み、
ぞうはアリにやられるんだ」とびっくりしたり。
 
『ランパンパン』を読むのが十八番の歌うように読む人は、
小学6年生に読んだこともありますが、案外喜ばれていました。
 
懐かしさも手伝ってのことでしょうね。
背伸びしはじめた5年生・6年生にも、
昔話がもつ底力がちゃんと通じるのですね。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになれたらうれしいです。

 

『パセリともみの木』自然の厳しさと人のくらしを描く

もみの木がタイトルにあることから、
12月によく読み聞かせしました

 

絵柄のせいか落ち着く絵本です。
もみの木の枝がシカの角のようとは、
この絵本で知りました。

 

自然の中で老いていく動植物と、
それを糧に生きる人間の関係をさりげなく描いています。

 

パセリともみの木

ルドヴィヒ・メーベルマンス 作
ふしみ みさを 訳
ページ: 46
サイズ: 25.2x20.4cm
出版社: あすなろ書房
出版年: 2007年

 

木をめぐる人々の営みにも注目する

落ち着いた色あいの絵本です。
 
紙の色も淡いクリーム色。
そこへ緑や茶色のアースカラーがのっています。
 
「パセリ」と呼ばれるようになった大シカと年をとったもみの木の物語。
ふかい ふかい みどりの もりのそのはずれに、
いっぽんの たいそう ふるい もみの木が ありました。
もみの木は きりたった がけを みおろすように たっていました
もみの木と描かれる森の様子と木を伐りだして暮らしに使う人間たちの様子。
 
めぐる季節に自然の厳しさを知るもみの木、
そしてもみの木にいつしかよりそうシカたち。
 
シカはもみの木のそばに生えるパセリが大のお気に入り、
いつしか「パセリ」と呼ばれるようになります。
 
ある朝、猟師がシカを見つけ、鉄砲かまえたその時、
風が吹き、もみの木がしなって猟師を打ったのです。
 
シカは助かり猟師は谷へ…
 

どっしりとした美しい絵

この絵本は開いたとき、右ページに絵、
左ページに文が書かれています。
 
文のページには草花が必ず描かれています。
 
物語が終わったあとに、
この本にでてくる花の名前です。
 
23種類の英語と日本語で名前が記されています。
ナズナ、キバナノキリンザクラ、ワスレナグサ、マウスイヤー・ホークウィード、マツユキソウ、スミレ、クルマバソウ、キンポウゲ、イトシャジン、キツネノテブクロ、コミヤマカタバミ、野生パセリ、セイヨウカワラマツバ、ヨーロッパマンネングサ、ウンラン、ヘザー、カッコウセンノ、のいちご、ウマノアシガタ、オニアザミ、オオルリソウ、コゴメグサ、ルピナス
もみの木とパセリの堂々とした姿。
美しくも厳しい自然の風景。
数百年の時を経た、絵画を思わせる色合い。
 
それらが心落ち着く雰囲気を醸し出しています
 

作者のベーメルマンスについて

作者のルドウィッヒ・ベーメルマンスは、
げんきなマドレーヌ」のシリーズで知られます。
 
マドレーヌの洋書を持っているのですが、
日本語版と微妙に違います。
原書は淡い黄色がベースです。
 
でも日本語で楽しめるのはありがたいことです。
作家で絵本の翻訳もしている江國香織さんが、
絵本のエッセイでその色の違いを残念がっていました。
 
ベーメルマンスはオーストリア生まれ、
16歳で単身アメリカへ渡って絵本作家になりました。
 
その絵を原画で見てみたいものです。
きっとすてきでしょうね。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。
 

『王さまと九人のきょうだい』は戦隊ヒーロー

戦隊ヒーローもの って、子どもたちは大好きですよね。
 
それぞれにカラーをもって、
特別な技?を繰り出し、
悪人を懲らしめ、やっつける!
同じパターンなのに、
なぜかはまって見てしまうんですよね。
 
ヒーローはイケメンが主人公ですしね。
決めポーズもかっこよかったりします。
 
息子も3歳、4歳くらいの時、夢中で
地元のイベントにきたショーを見に行きましたっけ。
 
ご紹介するのは、
なんと!9人のきょうだいが活躍するおはなしです。
 
9人が同じ衣装で、一列に居並ぶ姿にほれぼれしてしまいました。
 
王さまと九人のきょうだい
赤羽 末吉 作
君島 久子 訳
ページ: 42
サイズ: 25.6x19.6cm
出版社: 岩波書店
出版年: 1969年
 
九人の兄弟、
今はとんとお目にかかれませんがが、
昭和ヒトケタ生まれの人は、9人兄弟は珍しくありませんよね。
(昔すぎますね)
ここに登場する九人は背格好も全く同じです。
 

九人ならんで迫力、ひとりひとりが強そうなヒーロー

表紙は九人の兄弟の顔が居並んでいます。
中程でも見開きに九人が居並ぶ姿は、 凛々しくてまるで、戦隊ヒーローのようですね。
 
絵のトーンは優しくパステルカラーが主体です。 濃紺の衣服をまとった九人が際立ちます。
 
人物は太めの線で描かれ、遠景は色が面で塗られて、 色で雰囲気をつたえるようなつくりです。
 
豪快で人物やモノのパースも気にせず、 (同じ見開きに描かれた、人物の大きさが随分違うとか…)
あらわしたい事柄を
どーん
と、前面に伝えています。
 
赤羽末吉さんは、日本を代表する絵本作家です。
たくさんの絵本を描かれていますが、 代表作の『スーホーの白い馬』はモンゴルのおはなしです。
 
『王さまと九人のきょうだい』は中国の民話をもとにしたものですが、 スーホー同様、最初やラストの風景などが、 大陸の雄大さがあらわされて、とてもあっています。
 

ユニークな名前が特技の九人のきょうだい

おはなしは、
子どものいない年寄りの夫婦は、
子どもがほしい 子どもがほしい
と思っていました。
 
すると、ある日仙人のような老人に、 子どもが授かる丸薬をもらいます。
その丸薬をいっぺんに飲んで、
一気に九人のあかんぼうが生まれました。
 
九人も育てられないと嘆く老婆に、仙人が現れ、
何もしなくとも、この子たちは、ひとりでりっぱにそだつのだ
そして、名前をつけてくれます。
それが、
 
ちからもち くいしんぼう はらいっぱい
ぶってくれ ながすね さむがりや
あつがりや 切ってくれ みずくぐり
 
仙人のいうように、九人のきょうだいは大きくなりました。
ある日、みやこの王さまの宮殿で事件がおこり、 ちからもちが赴くことになり、無事問題を解決しました。
 
ところが、王さまは難癖をつけて、 次から次へと無理なことをいいます。
 
そこは九人いる兄弟、 代わる代わるその無理難題をくぐりぬけ、 王さまをやっつけてしまいます。
 
この辺は『シナの五にんきょうだい』と同じ展開です。
 
切ることができない、
焼けない、
足が長くなる、
息を止められる、
 
など同じ特技を備えていますね。
 
無理をいう、王さまの情けない様子も、 むしろ愛嬌があって笑えます。
 

名前のもつ意味と繰り返される意味

このおはなしで、仙人がつけたという名前それはまさに特技そのものなのです。
これは単にわかりやすさから名付けたのだと思います。 九人もいますからね。
 
でも一方で「名は体を表す」とも申します。
 
名付けた仙人はその時点で、
彼らに役割を与えたことになるのでしょう。
 
昔話絵本における名前は、かならず必要なものではありません。 むしろ、ないほうがいいようにも思えます。
 
大抵の昔話に登場する、
おじいさん、おばあさん に、
名前はありません。
 
そういえば五にんきょうだいには、名前がありませんでした。
にいさん末っ子 という匿名性が、
読む側に内容を引き寄せることにつながっています。
 
性格の似ている絵本の登場人物に出会えば、 自分のまわりに似た人がいたな、とか思えますから。
 
繰り返しの楽しさは次はどうなるのか、 という想像力につながります。
 
そんなこともありなの、 それはないでしょう、 こうじゃないの、
 
なんて思い思いに考えながら聞けますね。
ご訪問ありがとうございます。
 
絵本の解釈は、個人的なものです。 絵本選びのきっかけになれたらうれしいです。

 

『おやすみなさいのほん』幼な子に眠りへのおまじないに

子どもたちは、元気がいちばん、 元気に遊んでゆっくり眠ってほしい、 それが親心ですよね。

 

ご紹介するのは、 おやすみ前にゆっくりと、 開いてほしい絵本です。

 

やさしい眠けが絵本の中に漂っているようです。
一緒にながめたら、 いっしょに眠ってしまいましょう。

 

おやすみなさいのほん  

マーガレット・ワイズ・ブラウン 文

ジャン・シャロー 絵

いしいももこ 訳
サイズ: 24.6x20.6cm
出版社: 福音館書店
出版年: 1962年

 

優しいパステル調の色彩と、 太く均一でない揺らいだ輪郭線が特徴的な ジャン・シャローの絵。

 

優しい穏やかな波のようなくり返しが心地よい
マーガレット・ワイズ・ブラウン眠りへの魔法の呪文のような文です。

 

ねむたいものたちの無防備な姿がやさしい

小鳥、さかな、羊、森の獣たち、
カンガルー、仔猫、ウサギ、ハチ、リス、 動物ばかりではありません。

 

ほかけぶね、じどうしゃ、とらっく、ひこうきも、 そして、子どもたち

 

さあ、外は暗くなって
やさしい語り口で眠る様子語られます。
よるに なります。
なにもかも みな ねむります。
お日様が地球に向こう側に大きく描かれ、 沈んでいく、そんなはじまりです。
  そして、ページをめくると、 家の中に男の子と女の子の姿が窓からのぞけます。 家の前には池があり、 月明りとともに、飛行機とんでいるのが 映っています。(飛行機も登場していますよね)  

目を閉じて、眠っている動物たちに注目

そして、いろいろなものたちが昼とは違う姿をみせます。
ことりたちは みな うたうことも とぶことも たべることも やめます。 ・ ・ ・ ねむたい ことりたち。
左ページに文字、右ページに絵。
小鳥の親子がそろって目をつむって、 寄り添って眠っている姿が 薄暗い色調のなかで描かれています。

 

木の上の小鳥たちのつぎは、 海の中の魚たち。
さかなたちは、
めを ぱっちり あけたまま ねむります。
この絵本で、 「そうだ、さかなには瞼がないのだ!」 と気づいた次第。

 

目を開けたまま水に漂っているさかなたちは どこかユニークです。

 

こうして、
ひつじはかたまって、
カンガルーの子はふくろで、
うさぎはきれいな目をつぶり、
ハチは巣に入り、
りすは気にかくれ、
子どもたちはふとんにはいり、
ねむるのです。

 

大きい文字は、ゆったりしている

見開きの片側のページに絵、もう一方に文が書かれていますが、 文の文字が、大きいのです

 

文字だけのページですが、 半分のスペースをうめています。

 

大きいことで、 ゆっくりと読みたい気分になりますね。

 

一日の疲れを癒す眠りに誘うやさしい絵本は、
大人にも必要、と すこやかに眠りにつくものたちの姿を見て、感じました。

 

この絵本を開いて、ねむたい動物たちやものをながめる。
読んでいるこちらも、ねむたさが伝わってくる…
そんな、絵本なのです。

 

慈しみの手で守られてこそ

子どもたちがお祈りをしているところに 大きな手が描かれています。
子どもたちを守る慈愛の掌…(神さまの手)
こうした慈しみの手で守られるべき存在なのですね。

 

ラストは宗教色の強い印象を受けますが、 絵本に登場したものたちの、
無心の寝顔に自然と、
「おまもりください」
という気持ちになります。

 

それが宗教という形を持つか持たないかの違いだけなように思います。

 

読む大人もこころ癒される絵本です。

 

ご訪問ありがとうございます。

絵本選びのきっかけになればうれしいです。

 

『まりーちゃんのくりすます』優しい空気に包まれて

絵本を読みはじめた子どもたちにおくる
優しいクリスマスの絵本です。

 

ちいさな絵本ですから、子どもの目にも
程よくうつることでしょう。

 

まりーちゃんとくりすます

フランソワーズ 作
与田 準一 訳
ページ: 34
サイズ: 21x17cm
出版社: 岩波書店
出版年: 1975年

 

プレゼントを待つ楽しみが、クリスマスの楽しみと知り

ふゆです。
ゆきが ふりました。
こうしてはじまる、
まりーちゃんとひつじのぱたぽんのお話です。
クリスマスをまつ楽しみが伝わってきます。
 
クリスマスが近いのでまりーちゃんは、
サンタクロースのプレゼントを心待ちにしています。
ひつじのぱたぽんは、自分は靴を脱ぐことができないので、
プレゼントをもらえない、と嘆きます。
 
そんなぱたぽんのためにまりーちゃんは、
木の靴を作っているおじいさんのところへ行き、
ぱたぽんのために靴をあつらえるのです。
 
さあ、クリスマスの朝です
まりーちゃんに、そしてぱたぽんにもプレゼントが届いていました。
 
サテンのリボンのついたベルに、大喜びする嬉しそうなぱたぽん。
きっと忘れられないクリスマスになったことでしょう。
 

分かち合う楽しみも、クリスマスの楽しみと知る

 
まりーちゃんはプレゼントをもらえるクリスマスを心待ちにして、
あれこれ想像して楽しみに待ちます。
 
そのプレゼントを受け取るという喜びを、
ぱたぽんにも分け与えます。
 
クリスマスの幼い頃を、思い起こさせてくれます。
 

絵も文もやわらかいおはなしでほっこりと

1975年に発行されたこの絵本は、
”クリスマス”などのカタカナは、
ひらがなで書かれ太文字になっています。
 
優しい色と面で描かれた絵
 
境界という区切りが、まりーちゃんの世界にはないのですね。
 
淡い色彩がまりーちゃんの世界をやわらかくしていますね。
 
どこまでも温かい空気感に包まれたおはなしは、
読んでいると同じような空気に包まれていると感じます。
 
幼いはじめて絵本を読む子どもたちにも、
心から安心感を与える絵本です。
 
ご訪問ありがとうございます。
絵本選びのきっかけになればうれしいです。
 

『わたしとあそんで』◆自然にふれる柔らかい心

春、小学校に入学してまもない1年生によく読みました。

 

微笑みをたたえた女の子が主人公です。
登場するのは、女の子と動物たちだけ。
それと、空にお日様があって、 いつも優しく見守っています。

 

自然の中にいる子どもは、 とにかく元気です。
息子も4歳くらいの時、ブナ林の急傾斜を 延々と駆け回って疲れ知らずでした。

 

小川でなにか見つけてずっと見ていたり、 まわりにある自然が「いま、とっても うれしい」感覚を 呼び起こさせでいるのでしょうか。

 

はじめて絵本を読むお子さんにぴったりです。

 

わたしとあそんで

 

マリー・ホール・エッツ 作

よだ・じゅんいち 訳

ページ: 32
ザイズ: 26.4x18.8cm
出版社: 福音館書店
出版年: 1968年

 

どこまでも優しく柔らかい世界にひたることの大切さ

はらっぱの少女のある日がじっくりと描かれています。
あさひが のぼって、 くさには つゆが ひかりました。 わたしは はらっぱへ あそびに いきました。

 

遠くから歩いてくる女の子。 髪飾りと半袖のワンピース、くつ下が白い。 そして彼女を照らし見ている太陽も白い。

 

この太陽は全ての挿絵に描かれており、 そしていつも女の子をみています。

はらっぱにあそびにきた女の子は、そこで見つけた、 ばった、かえる、かめ、りす、かけす、うさぎ、へびに 次々と「あそびましょ」といいます。

 

けれどそれらは、みなかくれてしまうのです。
仕方なく池のほとりの石にこしかけ 「わたしが おとを たてずに…」いると、 かくれた動物たちはつぎつぎと、
女の子のまわりにやってくるのです。
「…じっとしていると、だあれもだあれも もう こわがってにげたりは しませんでした」。
さらに、しかのあかちゃんがやってきて、 女の子のほっぺたをなめました。
わたしああは いま、とっても うれしいの。 とびきり うれしいの。 なぜって、みんなが みんなが わたしと あそんでくれるんですもの。

 

こうして、 満ち足りた笑顔で動物たちに囲まれた女の子。
最後に、 太陽がちいさな女の子を見て微笑んでいるページでおわります。

 

動物たちはどうしてかくれてしまうの?人間はこわい?

 
このお話をを初めて読んだ時、 なぜ、動物たちは「あそびましょ」 という女の子から隠れてしまうのだろう。

 

その問いは文中にありました。

 

「…もう こわがってにげたりは しませんでした。」

 

人は、自然の営み中では、突然現れ、 声を発し、近寄ってくる、恐るべき存在でした。

 

それが小さな女の子であっても。
静かに石にこしかけ、じっとしている女の子は、 自然の草木になったよう。
動物たちの警戒心もとけたのでしょう。

 

動物たちに囲まれて「とびきり うれしいの」 と感じる女の子は、 「あそびましょ」と自分主体の能動的な態度から まわりを受け入れる受動的な態度へと変わりました。

 

受け入れる、そこに大きな喜びを見たのです。
集まった動物の中に、 女の子が「あそびましょ」 と追いかけなかったのに現れたしかのあかちゃん。

 

突然しげみの中にでてきます。
そして女の子のほっぺたをなめたのです。
このしかのあかちゃんが、 女の子を受け入れる役割をはたしているかのようです。

 

ほかの動物は彼女がアクションを起こして逃げられ、 彼女に害がないとわかると戻ってきました。

 

しかのあかちゃん(自然)は、近寄ってきてくれたもの。

 

女の子の「とびきり うれしいの」は 自然の一部となって受け入れられ、 理解された喜びに満ちています。

 

見守る太陽のようにありたい

 
またこの挿絵を見ていると、 ずっと変わらず女の子を見続けていた太陽がいます。

 

いつもだれかのやさしい気配を感じている、 子どもにとって、それはまさに親なのです。

 

子どもたちに必要な慈愛の世界が描かれています。

 

慈しみのまなざしの中ですくすくと大きくなってほしいと願って。
ご訪問ありがとうございます。

 

絵本の解釈は個人的なものです。 絵本選びのきっかけになればうれしいです。