『海べのあさ』世界は輝いていると知る
きらめき・・・
はじめてこの絵本を読んだときの第一印象。
海べのあさ
ロバート・マックロスキー 作
いしい ももこ 訳
出版社: 岩波書店
出版年: 1987年7月
サリーと妹のジェイン、おかあさんとおとうさんの4人家族は、海辺のそばに暮らしています。
ある朝、サリーは目をさまし、かけぶとんのかげからそっと外をのぞきました。
~きょうは、おとうさんとバックス・ハーバーへいく日だったののです!
こうして始まった1日。
サリーは歯が生え変わる年頃、ジェインは2歳くらいでしょうか。
ジェインの世話をやきながら、グラグラの歯を気にします。
サリーははまぐりをとっているおとうさんの元へ。
海辺の景色と動物たちの様子が生き生きと描かれています。
ミサゴ、アビ、アザラシ、カモメそしておとうさん、
みなに「歯が抜けかかっているの」とふれまわります。
おかあさんに、歯が抜けるのは、大きな子になるしるし、まくらの下に抜けた歯を置いて、
すると願い事がひとつかなう、といわれたから。
その嬉しさがあふれ出ています。
おとうさんに大きな口をあけてグラグラの歯を見せようとしますが、
なんと歯がなくなっています。
途中、海藻に滑ってしりもちをついたりしていましたからね。
さて、家に戻ってから、サリーとジェインとおとうさんはボートで出かけます。
モーターが壊れておとうさんは手で漕ぎます。
バックス・ハーバーにはいろんなお店があります。
ボートのモーターを修理し、抜けた歯のあとを大人たちに見せて、(なぜか男のひとばかり)
チョコレートアイスクリームを食べて、食料品とミルクのびんにつめてもらって、
帰途につくのです。
なおったモーターを勢いよく響かせて、
おかあさんのハマグリのスープができている家へ。
すべての場面がいきいきと輝いて見えます。
彼女たちの見る世界が輝いているからなのでしょう。
大判の絵本で、色もブルーブラック、1色ですが
海は光って見えます。
人やモノ、自然、あらゆるものが動いているようです。