『ことばあそびうた』で日本語の楽しさとおもしろさを知ろう
この絵本も子どもたちによく読みました。
小学校では3年生に一番読んだでしょうか。
学校で読むと子どもたちは、知らず知らず笑顔で聞いてくれていましたね。
日本語の楽しさを再確認しました。
15編の詩がひらがなで書かれています。
1973年が初版、長年読み継がれてきた絵本です。
谷川俊太郎 詩
瀬川康男 絵
線は「ことば」、「ことば」は絵
絵本でいうところの「絵」は 瀬川康夫さん。
絵はグラフィカル。
絵であって絵でないような…
絵のような文字のような…
「ことばあそび」絵本の「絵」は「ことば」のような「絵」にみえます。
それは線で構成されているせいかもしれません。
文字通り、文字は「線」です。
ここで描かれる「絵」は「線」であり「ことば」にみえる。
そんな絵本ではないかしら
と久しぶりに読み返して思いました。
ほとんどが線で描かれて、角ばってデフォルメもきいて楽しい。
丸い独特のフォントのひらがなと対をなして全体が中和されています。
色は全体的に明度が高い黒、朱、黄、緑の基本4色。
軽やかで絵も文字も踊っているようですね。
ひらがなは丸い
一文字違うだけで意味がコロリと変わってしまう言葉の楽しさが満載です。
谷川俊太郎さんはどのように、この言葉を紡ぎだしているのでしょう。
最初のうたは
ののはな
はなののののはな
はなのななあに
なずななのはな
なもないのばな
な行が半分以上を占める柔らかいやさしい印象。
うそつき きつつき
うそつききつつき
きはつつかない
うそをつきつき
つきつつく
うそつききつつき
つつきにつつく
みかづきつくろと
つきつつく
月を突いている啄木鳥(きつつき)が目に浮かびます。
ほかにも
かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちってた
とか
いるかいるか いないかいるか いないいないいるか いつならいるか よるならいるか またきてみるか
とか
ぶったって けったって いててのてって いったって
とか
このこのこのこ どこのここのこ このこのこののこ たけのこきれぬ
中ほどと終わりに見開きで絵だけが描かれています。
えがかれたひらがなはまるいなあおもいました。
くとうてんがないとよみにくことこのうえない。
かたかなはおとこもじひらがなはおんなもじといわれますがもじをながめているだけでそのいみがわかるようなきがします。
かんじからうまれたひらがなはにほんのもじなのだとあらためてじっかんしました。
音読するとクセになる
読むのも一苦労な愉快な詩の数々。
すらすら名調子で読むと,
これが、読んでる方も楽しくなるから不思議です。
何度も何度も音読していくと自分なりのリズムが生まれます。
同じ詩でも読む人によって随分印象は変わりますね。
他の人が読む『ことばあそびうた』は自分の読むそれとは違って新鮮でした。
・ことばとことばの間
・アクセント
・ちょっとした息継ぎ
・読む速度
・ことばの強弱