深読み!海外名作絵本100

発表から25歳年以上読み継がれている”これだけは読んでおきたい”海外の名作絵本の数々。 読み聞かせ歴15年、のべ9000名をこえる子どもたちに絵本を読んできました

動物

『カエルのバレエ入門』伝統、型、表現、筋肉

これはなんといっても、カエルの優雅な姿を描いているクリントン・アロウッドに拍手です。カエルの真剣・大真面目な表情と華麗なポーズが最高にキュートな絵本です。 カエルのバレエ入門 ドナルド・エリオット 文 クリントン・アロウッド 絵 出版社: 岩波書…

『ふわふわしっぽと金のくつ』異国の行事をたのしむ

ふわふわしっぽと金のくつ デュ・ボウズヘイワード 文 マージョリー・フラック 絵 出版社: PARCO出版 出版年: 1993年7月 この絵本、春のこの時期にいつも思いだします。 表紙のうさぎたちと柔らかな春色に、ほっとします。 キリスト教を信奉する国のお祭り…

『うさぎのみみはなぜながい』何事も理由を考えてみる

これは、メキシコがまだナオワの国といった時代の、おおむかしの物語です。 そのころすんでいたメキシコ人は、みな、わたくしたち日本人そっくりの人たちで、アステカ文化という、たいそう高い文化をもっていました。 うさぎのみみはなぜながい 北川民次 作 …

『金のがちょうのほん』昔話の摩訶不思議な世界

レズリー・ブルック文・画のこの絵本には、副題にあるとおりー四つのむかしばなしーが収められています。「金のがちょう」「三びきにくま」「三びきのぶた」「親ゆびトム」、いずれもイギリスの昔話、日本人にもなじみ深いおはなしです。絵本が出版されたの…

『あおい目のこねこ』へんてこはすてきなこと

この絵本は青い目をもつネコがネズミの国を目ざすおはなし。 あおい目のこねこ エゴン・マーチセン せた ていじ 訳 出版社: 福音館書店 出版年1965年4月 1965年が初版ですから、半世紀を越えました。 本の厚みも12㎜ほど、右ページに絵、左ページ文字、山吹…

『ゆかいな かえる』生き物の躍動感が伝わってくる絵本

ゆかいな かえる ジュリエット・ケペシュ 作 いしい ももこ 訳 出版社: 福音館書店 出版年: 1964年7月 4ひきのカエルが楽しげな表紙。 ミドリとアオは自然に溢れた色、使われている色もこの2色に白と黒のみ。 水辺のアオがほとんどページのばっくの色なの…

『おおきなのはら」自然をまわりをよくみること

カラフルな表紙をめくると、見返しには虫捕り網とバスケットを手にした男の子と女の子が、家を後にするところ。燦々と輝く太陽の照りつけるのはらへ。さて、のはらはどんなところでしょう。 おおきなのはら ジョン・ラングスタッフ 文 フョードル・ロジャン…

『長ぐつをはいたねこ』少しの無理と知恵と工夫!

グリム童話(初稿は『靴はき猫』にも収録されている、多くの人が知るお話です。 日本でもTVや映画で何度かアニメーションになっています。 誰もが知るお話だからこそ、絵本は”絵”を選びたい! そこで選んだのは、ハンス・フィッシャーの絵本です。 『長ぐつ…

『プーのはちみつとり』絵本のプーさん、子ども時代にいつもそばにいる存在の意味

誰もが知るキャラクター「プーさん」。 ディズニーランドでもおなじみですね。 キャラクターとしてのプーさんを知ってはいても、絵本のプーさんを知っている人は案外少ないのではないでしょうか。 絵本を知ってプーさんが大好きになりました。 プーのはちみ…

『おおかみと七ひきのこやぎ』残酷さは絵本で学ぶ

だれもが知っているグリム童話『おおかみと七ひきのこやぎ』です。 絵本でみるなら、 絵・フェリクス・ホフマン 訳・せたていじ のこちらがおすすめです。 おおかみと七ひきのこやぎ フェリクス・ホフマン 絵 せたていじ 訳 ページ: 32ページ サイズ: 29.2 x…

『かえでがおか農場のいちねん』1年と季節の農場の仕事がわかる

子どもたちは日々を、今を全力で生きています。 1年という時間をわかるのはいつ頃でしょうか。 小学生になると、1年たって2年生に、3年生にと、 1年を実感できるでしょう。 今は多くの子が、幼稚園や保育園へいくでしょうから、 園や家庭や行われる季節の行…

『パンやのくまさん』◆誠実・実直・礼儀正しさが描かれる

やや小ぶりのサイズの絵本は、小学校の教室で20人の読み聞かせで読むより、図書室で数人の時に読む絵本でした。 表紙のどこか懐かしい絵のタッチは野暮ったくさえみえます。 はじめて出版されたのは1979年、アメリカ。日本では1987年に訳されています。 この…

『三びきのやぎのがらがらどん』迫力ある絵を楽しもう

きっと絵本は保育園や幼稚園に通っている子なら必ず知っている絵本です。 園でも必ずといっていいほど置いてありますね。 小学校の入学間もない1年生によく読みましたが、この絵本を持って教室に入ると 「知ってるー!」 と嬉しい声があちらこちらから飛んで…

仲間ができたら読みたい『さるのオズワルド』は声をあげる勇気がでる絵本

ここに登場するのはサルたちです。 小さいサルが数匹、大きなサルが一匹。 カラフルな線で描かれたおはなしです。 小学校では1年生から3年生くらいまで、 よく読みました。 文章に特長があって、子どもたちはマネしあったりしていました。 さるのオズワル…

『たんじょうび』おくり贈られる気持ちが描かれる

誕生日はいくつになってもうれしいもの。 1年が無事に過ぎた安堵と 次の1年への期待が交錯する日ですね。 子どもたちは誕生日がとても楽しみです。 まわりの大人たちはみな笑顔で 誕生日、おめでとう! と嬉しそうですから。 この絵本は入学したばかりの1年…

『ぞうのババール』なに不自由ないことが自由なのではない

鮮やかな朱色が目をひく絵本です。 ぞうが不思議ないで立ちで立っています。 動物が主人公のおはなしは、 子どもたちも大好きです。 小学校の読み聞かせでは 3年生4年生によく読みました。 おはなしが少し長いので 朝の15分ではギリギリ、 ちょっと時間を過…

動物の世界を垣間見る『いたずらこねこ』ネコとカメの様子を実況中継

登場するのは動物だけ。 そうした世界を描けるのは、 絵本のひとつの楽しみといえます。 ご紹介するのはネコとカメのおはなしです。 小学1年生から3年生まで読むことが多かったですね。 子どもたちもが、ネコとカメの動静に どきどきするのが 読んでいても伝…

『アンガスとあひる』擬音が楽しい絵本!ヒトといない時の動物たちの姿を覗き見る

犬はもっとも身近にいる動物ですよね。 見かける犬ながめていると、 何考えているのかなぁ、 なんて、ふと思います。 ちいさな子どもに行動パターンが似てるかも… 好奇心旺盛で、 知りたがりで、 行動が突飛で、 考えなしで、 怖がりで、 柔らかくて、 あっ…

ネコの数を数えてみたい『100まんびきのねこ』自己アピールの方法とは

NHK-BSの番組に 「岩合光昭の世界ネコ歩き」という番組があります。 ネコと世界の風景、暮らし、 生活の中のネコの様子、性質など。 成り行きで見ることがあって、 見ているとこれが、おもしろいのです。 ネコのしっぽだけ、目の動きだけに注目したり、 壁…

『ちいさなヒッポ』こうありたい親子の信頼関係

カバの大きさはいつ見ても圧倒されます。 いつも、なんて大きいんでしょ!! と。 息子が子どもだったころ、 動物園に行くことが、何度かありました。 象も大きいですが、足も長めで、目線が上にあるせいか、 カバほど、大きい!という印象を受けないのです…